計算機の学習メモ

この想像しがたい状況が成立する過程を、以下に詳述する。

すべてがFになる-「7だけが孤独」の問題を解く

森博嗣さんの「すべてがFになる」の冒頭で、ある問題が提起される。
「1から10までの数字を二組に分けて、それぞれグループの数字を全部掛け合わせる。このとき、二つの積が等しくなることはありますか?」
「ありません。片方には7があるので、その積は7の倍数になるけれど、もう片方には7がないので7の倍数にはならない。つまり二つのグループの積が等しくなることはありません」

では、7を除外した時、二つのグループの積が等しくなることはあるのでしょうか。

①まず、等しくなる時の数について考察します。
 二つのグループの積が等しいならば、そのグループ同士の積は等しくなる時の二乗となります。
 1〜10(7を除く)の積は
 1\times2\times3\times4\times5\times6\times8\times9\times10=518,400
 なので、平方根をとって等しくなる時の数は
 \sqrt{518400}=720
 となる。
 つまり、積が720になるように二つのグループを分ければよい。

②720を素因数分解すると
 720=5\times3^2\times2^4
 となる。
 これより、個々の数値が10以下である組み合わせを求めればよい。
 ここで、「5」という数が"孤独"なので、「5」を中心に考えてみよう。
 5・3・2の組み合わせで、10以下の数は「5,10(3\times2)」である。
 まず、10から考える。
 (「1」はあってもなくても積に関係がないため、表記を割愛する)

 3^2\times2^3\times10(5\times2)
 =3^2\times2^3
 =3\times6(3\times2)\times2^2
 =2\times2^2\times3^2

 次に、「5」について考えると
 
 =3^2\times2^4\times5
 =2\times2^3\times3^2
 =3\times6(3\times2)\times2^3
 =2\times3\times2^2\times6(3\times2)

 となる。

 よって、1〜10までの7を除く数値を二つに分けた時、積が等しくなる組み合わせは6通りあり、
 [2,4,9,10],[2,5,8,9],[3,4,6,10],[3,5,6,8],[2,3,4,5,6],[8,9,10]
 である。
 (総数は{}_9 C _1+{}_9 C _2+{}_9 C _3+{}_9 C _4)

最後に、会議中のノートに書いた解法なので、間違っていたら悪しからず。。。